アンジェスは19日、カナダのバイオベンチャー、バソミューン・セラピューティクスと共同開発している新型コロナウイルス感染症治療薬候補「AV-001」について、米国で前期第2相臨床試験を開始したと発表した。

 重症患者120人を対象に、初期の安全性や最適な投与量を評価する。  重症の入院患者を対象に、標準治療と併用してAV-001を点滴注射する。まず3種類の投与量を設定して最適な用量を検討する。主要評価項目は有害事象の頻度で、プラセボ投与と比較する。副次的に症状改善度などの有効性も評価する。目標症例数は約120例。米国15カ所で開始し、南米にも拡大する予定。

 AV-001は、正常な血管機能の維持にかかわる受容体「Tie2受容体」を標的とした新規化合物。カナダのサニーブルック病院の研究所で創製され、バソミューンとアンジェスが開発を引き継いだ。血管内皮バリアを回復させる作用から、コロナ重症者に多い急性肺損傷や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などに対する効果が期待される。治験開始にあたり、米国政府から最大920万ドル(約10億円)、カナダ政府から同280万カナダドル(2・5億円)の助成金を獲得している。

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