政府は7日、新型コロナウイルスワクチンの追加調達に向けた製薬各社との協議状況を明らかにした。米ファイザー、米モデルナ、米ノババックスから合計2億5000万回分の追加供給を受ける方向で調整を進めている。ファイザー製は今秋までに供給される見通し。モデルナ製とノババックス製は、変異株に対応したワクチンや追加接種分も対象になる見込み。

 菅義偉首相は同日夜の記者会見で、9月末までにファイザーから新たに5000万回分が追加される見通しを明らかにした。同社とは今年中に1億4400万回分を調達する契約を結んでいるが、合計で2億回分近くが今秋までに供給されることになる。

 モデルナからは、年明け以降に5000万回分を追加する方向で協議。6月末までに4000万回、7~9月に1000万回を調達する契約を結んでいるが、来年向けにも同じ量を確保する考え。同社は変異株に対応したワクチンや追加接種用のワクチンも開発中。来年分にはこれらのワクチンが含まれる可能性もあるという。日本の開発・販売権を持つ武田薬品工業も加わって協議を進めている。

 一部報道によると、モデルナ製ワクチンは今月20日ごろに厚生労働省の専門部会で承認が審議され、24日以降に首都圏の大規模接種センターで接種が始まる見通し。

 ノババックスとは1億5000万回分の供給契約に向けて協議。日本向けの製造権を持つ武田薬品が供給する。同社の光工場(山口県光市)では年2億5000万回分の製造体制を構築しているが、まずは1億5000万回分を供給する。政府としては主に来年用のワクチンとして確保する考えだが、武田薬品は最短で今秋の供給開始を目指している。

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