京セラと東京医科歯科大学は、ヘッドセット型ウエアラブルシステムを用いた効果的なリモートリハビリテーションの実現に向け、5月中旬から臨床研究の準備を開始した。血中酸素飽和濃度(SpO2)などのバイタルデータをリアルタイムに取得できる。新型コロナウイルス感染症患者への試験運用を通じて、遠隔診療やリハビリでの有効性を検証するとともに、他の疾患への展開も検討し、2021年春の本格導入を目指す。

 今回、同大学附属病院医学部循環器内科が新型コロナ患者向けのリハビリテーションに同システムを取り入れることを発案した。新型コロナ患者は血栓症や脳梗塞を併発しやすいことから、同じ医学部のリハビリテーション部では、重症患者には直接介入のリハビリテーション治療を、中等症患者にはリモートリハビリテーション治療を導入している。

 京セラと同大循環器内科が共同研究しているウエアラブルシステムは、遠隔診療などへの活用を想定。骨伝導のマイク/スピーカー、生体情報センサー、生体情報処理モジュール、体表面温度計測モジュールなどで構成される。

 これを用いると、医師はリハビリ治療中に患者と会話しながら、運動中のSpO2などのバイタルデータを取得。適切な運動量を指導でき、正確な診断や診察時間の短縮につながる。一方、患者として骨伝導で音が聞こえるため周囲の音を聞きながら治療中も自由に手足を動かすことができる。さらに今後、現在の半分程度に小型・軽量化することで、医師が遠隔から自宅療養中の患者のバイタルデータをモニターできるようになる。

 今後、現在の半分程度への小型・軽量化を目指す。これにより医師が遠隔から自宅療養中の患者のバイタルデータをモニタリングできるようになる。

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