テルモは27日、新型コロナウイルスなどの感染管理に配慮した消毒しやすい体温計を開発したと発表した。脇の下で測るタイプで、5月12日から全国の医療機関向けに発売する。体温計を介した院内感染を防ぐために収納ケースは清拭しやすく、浸漬消毒の場合でも薬液が残りにくい形状に刷新。浸水を防ぐ設計により、体温計本体も浸漬消毒できる。2020年度に2機種合計4・8億円の販売を目指す。

 消毒薬は従来のアルコールに加え、クロルヘキシジンゴルコン酸塩、ベンザルコニウム塩化物、次亜塩素酸ナトリウム、グルタラールも使えるようにした。希望小売価格は標準機種が税別2850円、上位機種が同3750円となる。テルモは医療機関向けの国内体温計市場で6割のシェアを握る最大手。

 脇下にはブドウ球菌などの常在菌が存在し、免疫力が低下しているなど患者の状態によっては感染症を引き起こす可能性がある。新型コロナウイルスなどによる感染症が発生した場合、とくに使用後の医療機器に対して病原体を排除するための消毒が重要になる。

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