独ビオンテックは、ドイツ国内の新たな生産拠点で、米ファイザーと開発した新型コロナウイルスワクチンの生産を始めた。メッセンジャーRNA(mRNA)を生産する拠点としては欧州最大級という。

 ビオンテックは昨年、独中部マールブルクの工場をスイス・ノバルティスから買収し、コロナワクチンの生産向けに準備してきた。このほどバリデーション作業などが完了し、有効成分となるmRNAの生産を始めた。同工場で生産したワクチン原液は委託先で充填・包装され、4月上旬にも完成品の出荷が始まる予定。mRNAの生産拠点としては欧州最大級で、年間最大7億5000万回分の生産が可能という。今年6月末までに同社全体で2億5000万回分を生産する。同社とファイザーは今年中に計20億回分(1バイアル6回接種)の生産を目指している。

 両社のワクチン生産では、スイス・ノバルティスや仏サノフィなどが協力することも先ごろ決まった。充填などを受託する。化学メーカーの独エボニックも、mRNAを保護するために使われる脂質ナノ粒子(LNP)の原料生産を請け負う。

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