ミラテクドローン(東京都品川区、佐々木康之社長)は、大規模なイベント会場を対象に、ドローンを活用した抗菌・抗ウイルスコーティングサービスの提供を開始する。ドローンにより抗菌・抗ウイルス効果の高い一価銅化合物をコーティングすることで、施設内での接触による、新型コロナウイルス感染拡大を防止する。コーティング直後の消毒効果に加え、一価銅イオンが表面に残り、長期間効果が継続するため、通常毎日行っていた除菌作業を、1カ月に1回程度に軽減できる。初年度約2500万円、2年目に約1億円、3年目に約2億円の売り上げを見込む。

 ミラテクドローンは、ミライト・ホールディングスのグループ会社で2020年に設立。ドローンパイロットを育成する研修サービスをはじめ、ドローン運航支援・代行サービスの提供、機体・システム販売などを手がけている。20年9月からパートナー企業であるサンクレスト(大阪府東大阪市)、東光鉄工(秋田県大館市)とともに実証実験を重ねた。ドローンによって、抗菌・抗ウイルス効果が期待できる一価銅化合物ナノ粒子の付着が認められたため、今回のサービス開始にいたった。

 サンクレストは、新型コロナウイルスに対して、短時間での不活化効果を示す除菌コート剤「Cu+ブロック」を製造・提供、東光鉄工がドローンの開発を担当する。農薬散布機として開発されたドローンをベースに、コーティング用にチューニングした機体を使用。飛行時間は12・5分、タンク容量は10リットル。大空間でも効率的にコーティングでき、消毒などのメンテナンスを大幅に軽減できる。

 4月1日からサービスを開始。全国的に緊急事態宣言が明け、大規模なイベントの再開が見込まれるなか、劇場、ホール、野球・サッカー・陸上スタジアムのほか、テーマパーク・遊園地などのアミューズメント施設、学校・病院・介護施設のエントランスといった幅広い用途を想定する。

 提供価格は1000平方メートルまでは30万円(税込み)を基本料金とした。それ以上の大きさの場合は、1000平方メートルを超える100平方メートル当たり1万5000円を追加、屋外スタジアムなどの大規模施設の場合は個別見積もりとなる。

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