伯東は4月中旬から、純水を電解してオゾン水を生成し噴霧するハンディータイプの除菌・消臭スプレー「aquray」(アクレイ)を販売する。オゾン水は残留性がないうえ耐性菌生成リスクが低く、手荒れを起こしにくいなど人や環境への安全性が高い。片手で持ちスイッチを押すだけで簡単に噴射できる。同社は菌、酵母、カビに対する効果を確認ずみで、コロナウイルスが属するエンベロープウイルスに対するオゾン水の効果も実証されている。販売目標は発売後1年間で1万台。美容室やペットショップ、介護施設、病院、食品加工業などに幅広く拡販する。

 アクレイは、導電性ダイヤモンド電極で純水を電解してオゾン水を生成する。オゾン水の濃度は水温25度C、ストレート噴射時で約2ppm(ミリグラム/リットル)。オゾン水の噴出量は1分間に約70ミリリットル。噴射ノズルを回転させることで霧状もしくはストレートに切り替え可能。純水も同社が提供する。

 従来のオゾン水発生装置は大型で手軽に使える小型のものはなかったが、新製品は横98×奥行き115×高さ225ミリメートル、重量が約500グラム(空水時)のため、片手で持つことができる。純水を入れるボトルは容量280ミリリットルで、ボトル1本で約4分噴霧できる。電源は充電式リチウムイオン電池。フル充電ならボトル約10本分が使える。使用温度範囲は10~40度C。

 低濃度オゾン水は原料が純水で薬品を使わないうえ、菌や有機物などと反応することで消費され容易に水に戻ることから残存しない。臭いもほとんどない。オゾンの酸化分解によって効果を発揮することから耐性菌生成リスクが小さい。

 同社では菌、酵母、カビに対する効果を確認している。また一般にオゾン水は論文などによってウイルスを不活化することが知られている。新型コロナウイルス(COVID-19)への効果に関する論文はないが、日本医療・環境オゾン学会の報告によると、コロナウイルスが属するエンベロープウイルスやノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスに対するオゾン水の効果が実証されている。

 皮膚に触れた場合も容易に消失するため、手荒れなどを起こすリスクが低い。厚生労働省や米国食品医薬品局(FDA)から食品添加物として認可されている。東京都、大阪府などでは水道水でオゾン処理を採用している。

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