感染症検査の世界大手、仏ビオメリューの日本法人、ビオメリュー・ジャパン(東京都港区)は、新型コロナウイルスを含む21種類の呼吸器感染症の原因遺伝子を同時に測定できる全自動検査システムの製造販売承認を取得した。呼吸器感染症の症状は発熱や咳など類似し、鑑別が難しい。ビオメリューの新製品は遺伝子を増幅するPCR検査の原理を用いて原因のウイルスや菌を45分で特定でき、いち早く確定診断でき、早期治療につなげられる。

 幅広い呼吸器感染症を一度に診断できるパネル検査で、新型コロナ向けの国内承認は今回が初めて。すでに販売を開始しており、現時点で保険適用の対象になっていない。

 ビオメリュー日本法人によると、医療機関や検査室などにすでに100台程度を納入している全自動遺伝子解析装置「フィルムアレイ」を用いて検査でき、検査試薬も十分に供給できる体制を整えているという。

 フィルムアレイでは新型コロナに加えて、インフルエンザウイルスやアデノウイルス、RSウイルス、コロナウイルスなど18種のウイルスと3種の細菌の遺伝子を同時に測定できる。鼻咽頭ぬぐい液を検体に用い、検体採取後、附属の試薬に検体を添加するのみで検出できる。

 呼吸器感染症は発熱や呼吸困難、倦怠感など似た症状を持つことが多いため、病原体の特定までに何度も診断を繰り返すことがある。フィルムアレイは1回の検査で起炎菌を短時間に特定できる呼吸器感染症パネルで日本でも高シェアを握る。栄研化学や杏林製薬なども呼吸器感染症パネルへの参入を進めている。

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新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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