富士フイルム和光純薬は、新型コロナウイルス用遺伝子検出キットが公的医療保険の適用対象になったと発表した。PCR検査時間の短縮に寄与する同キットは今年4月中旬に発売したばかりだが、検査数増加にともなう需要増に応えるため、今年7月に月間生産能力を現状比3倍の約5万検体に引き上げられるよう増産に着手する。今回、公的医療保険の適用対象となったことを受け、前倒しで進めることを検討するとしている。

 同キット「SARS-CoV-2 RT-qPCR Detection kit」は、逆転写反応と次工程のリアルタイムPCRの段階において従来2時間強かかっていた反応時間を約90分短縮できる。反応試薬に加え、国立感染症研究所が公示しているプライマーとプローブなど検査に必要な試薬類を一式にした検出キットとして4月15日に日本で販売を始めている。

 このほど、厚生労働省健康局結核感染症課ならびに国立感染症研究所による「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査方法について」(20年5月1日版)において、陽性一致率および陰性一致率ともに100%という結果が公表されたことから、公的医療保険の適用対象となった。

 大阪工場(兵庫県尼崎市)で製造している。増強するうえで、他の拠点で生産することも視野に入れている。

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