島津製作所は子会社で受託分析を手がける島津テクノリサーチ(京都市中京区)が下水に含まれる新型コロナウイルスのPCR検査受託事業を開始したと発表した。下水処理場に流入する下水を検査することで、感染流行の兆しのある地域を特定できる可能性がある。

 感染者の糞便には発症前からウイルスが存在。唾液・鼻咽頭拭い液などの検査で陰性となった後も約20日はウイルスが含まれると指摘されている。下水の検査は感染収束の見極めにも有効と考えられている。

 下水に排出されたウイルスは微量で、下水中のほかの物質が阻害、検出が困難だった。同社では、京都大学の田中宏明教授らの技術指導の下、検出について検討してきた。

 その結果、島津製作所の「新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬)を使用し、検出が可能であることを確認。日本水環境学会の「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル(暫定版)」に従い、下水処理場の流入下水や最初沈殿池流出水をポリエチレングリコール沈殿法(PEG沈殿法)で濃縮した試料を用いる。

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