医薬品や診断薬を開発するスタートアップの日本バイオテクノファーマ(東京都中央区)は、新型コロナウイルスの抗体検査キットを導入する。同検査キットは血液を検体に用い、感染すると体内で産生されるIgM抗体とIgG抗体を5~15分で測定できる。インフルエンザ検査のように特別な検査機器を用いずに、視覚的に検査結果が読み取れる。同社では、すべての医療関係者や国民全員が抗体検査を受けられる環境につなげたいとしている。

 早ければ5月下旬に発売する。開発・供給元は明らかにしていないが、すでに米国食品医薬品局(FDA)に登録されているという。1000例超の検体による試験では、血清中のIgM、IgG、IgMとIgG相関と回帰分析、血清と血しょう間および血清と全血間でのIgMとIgGの相関と回帰分析などの評価項目において有意差がなく、核酸検査キットと強い一貫性・整合性を持つことが示された。

 測定原理は、金コロイド粒子によるイムノクロマト法を採用している。日本では国営機関の品質評価を5月中旬までに終える計画。1日100万キットの生産が可能で、複数のキットを用意する方針だ。早期に体外診断薬として薬事申請も行い、保険適用も取得する。

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