東北大学の加齢医学研究所は、新型コロナウイルス感染症の治療・診断法の開発を支援する。この一環として、同研究所で有する免疫受容体解析ツールを開放する。研究機関や製薬企業などが無料で使える環境を整えることで治療薬や診断法の確立を後押し。併せて、遺伝子構造の解析サポートも同研究所で引き受け、抗体医薬や抗体療法、免疫療法の早期実用化に結び付ける。

 無償で利用できるようにするのは、同研究所が持つ免疫レパトア解析、免疫受容体解析ツールなど。患者由来サンプルの塩基配列をまず送付し、同研究所でレパトア解析を実施。同ツールの利用許諾を与えた後、希望する研究機関や製薬企業、病院は抗体などの遺伝子構造解析が行える。

 新型コロナウイルス感染症から回復した患者には抗体が存在すると考えられる。このため、そのウイルス抗体遺伝子構造を解析することで治療薬や診断法の開発へとつながる。例えば、解析した遺伝子構造を基に人工抗体や抗体医薬の作成が可能となる。さらにワクチン接種後の効果の判定、感染歴の有無の評価などもできるようになる。

 期間は2021年4月30日まで。状況に応じ、延長も念頭に置く。利用希望者は、電子メール(immunobiology@grp.tohoku.ac.jp)での事前申し込みが必要。

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