新型コロナウイルスの検査キットの発売が相次いでいる。島津製作所は10日、ウイルスRNAの抽出精製工程を省略できるPCR検査試薬キットを20日から医療機関などに供給すると発表。栄研化学は独自の遺伝子増幅技術「LAMP法」を用いる検査薬を製造販売承認を取得した体外診断薬として10日に発売した。

 島津製作所のPCR検査キットは抽出・精製工程を省くことで、120分以上かかっていた同検査全工程を約60分に短縮できる。96検体用PCR装置を用いて、90分以内で検査できる。4月に3万検体分、5月以降は月10万検体分の出荷を目指す。北米、欧州など海外輸出の準備も進める。価格は1キット(100検体分)が税別で22万5000円。

 栄研化学のLAMP法向け検査試薬は約35分でウイルスの有無を判定できる。専用装置はすでに医療機関など約500施設に納入している。これまで研究試薬として販売し、保険適用の対象にもなっているが、3月末に製造販売承認を取得。試験を通じて性能が担保された体外診断薬として改めて発売した。栃木県内の工場で増産体制も敷いた。48テスト分で7万6800円。

 ロシュ・ダイアグノスティックス(東京都港区)も製造販売承認を取得したPCR検査キットを体外診断薬として上市。核酸抽出から増幅・検出までの全工程を約3時間で最大96テスト検査できる。

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