武田薬品工業は8日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として同業他社と開発する血漿分画製剤プロジェクトについて、提携先を拡大して開発を加速すると発表した。血液製剤関連の参加企業が計10社に増え、米マイクロソフトなどからの支援も得た。米国立衛生研究所(NIH)とも協力し、今夏にも日米欧で臨床試験を始める予定。
 新型コロナの回復患者から採取した血漿を用いて高度免疫グロブリン(抗体)製剤を共同開発するコンソーシアム「CoVIg-19プラズマ・アライアンス」。武田薬品や米CSLベーリングなど6社で4月にスタートしたが、このほどADMAバイオロジクス(米国)、バイオファーマ・プラズマ(ウクライナ)、GCファーマ(韓国)など4社が加わり、製剤の開発、製造、流通体制がさらに強化された。また、NIHの国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)と協力し、早ければ6月にも成人患者対象の臨床試験を始める予定。日本や米国、欧州などを対象にグローバル試験として行う計画という。
 異業種からの支援も得た。原料となる血漿ドナーの募集には、米マイクロソフトが開発したツールを使い、最寄りの血液採取センターを案内する。同センターへの送迎は、米ウーバーの医療向け配車サービス(ウーバー・ヘルス)が協力する。血液採取は感染者が爆発的に増えている欧米で優先的に進め、日本では行わない方針。

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