米臨床検査薬メーカーのオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックスは日本で新型コロナウイルス感染症の抗体検査薬の受注を28日に始めた。米国で今月、緊急使用許可を取得し、陰性の検体を正しく陰性と判定する確率が100%と高い精度が特徴だ。日本政府は感染実態の把握に抗体検査の活用を打ち出しており、同社はまず疫学研究などでの利用を見込む。

 オーソ社の抗体検査薬は在日米軍基地で使用が計画され、日本市場にも5月下旬に発売する方針。感染初期に出現するIgM抗体を含むすべての抗体の検査試薬と、感染後期に出現し回復後も血液中に存在するIgG抗体のみを検出する試薬の2種類を発売する。

 両方の抗体を検出することにより感染と免疫の双方を調べられる。100%の確率で陰性を判定できるため、免疫を獲得していない人が偽陽性と判定されることはない。一方、新型コロナは感染期ごとの免疫状態に関して研究が積み上がっていない部分も多く、PCR検査と組み合わせて使用することで感染実態を把握することになりそう。

 オーソ社が日本の医療機関など250施設に納入している全自動免疫検査機器「ビトロス」を用いて測定。検体は血液を使い、処理能力は1時間に150検体。検査試薬の量産体制も整備した。

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