米モデルナは、新たな新型コロナウイルスワクチン「mRNA-1283」の臨床試験を開始したと発表した。すでに実用化されている既存のワクチンは長期保存に冷凍庫を必要とするが、冷蔵庫でも輸送可能な新製剤を開発する。また既存ワクチンでは、乳児を含む小児対象の臨床試験を開始した。

 mRNA-1283の第1相臨床試験をこのほど開始し、最初の症例への接種が行われた。安全性と免疫原性を評価する。28日間隔で2回接種する用法とともに、高用量を1回接種する用法も評価する。既存ワクチンを接種した人に対する追加接種ワクチンとしても検討する予定。

 同1283は、一般的な医療用冷蔵庫でも長期保存できるワクチンとして開発された。詳しい保存条件は明らかにしていないが、冷凍庫は不要という。既存ワクチンは、長期保存や輸送にはマイナス20度Cに対応した冷凍庫が必要で、とくに途上国の流通が課題だった。

 既存ワクチン(mRNA-1273)の開発では、小児適応を拡大する治験も開始した。生後6カ月~12歳未満の小児が対象で、北米で約6700例を登録する。他社のコロナワクチンでは小学生以上の小児を対象にした治験は行われているが、1歳未満の乳児も含めるのは初めてとみられる。

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