東レは21日、エンドトキシン除去向け吸着型血液浄化用浄化器「トレミキシン」について、カナダにおける新型コロナウイルス治療への暫定的な使用許可を同国保健省から取得したと発表した。カナダでトレミキシンは敗血症性ショックを適応とした輸入許可を2003年に取得していたが、新たに「心不全や輸液過剰ではない急性の呼吸不全」や「びまん性肺胞障害」のほか、「肺酸素化能が300ミリメートル水銀柱以下」の適応に対する拡大使用が暫定的に認められた。

 トレミキシンは94年の発売開始以来、エンドトキシン血症にともなう重症病態やグラム陰性菌感染症によると思われる重症病態の患者に対し治療を行う医療機器。主に敗血症や敗血症性ショックの患者の病態の改善に使われている。

 米国では今月に入り、ライセンス先で現地の医療機器メーカーが臨床試験として新型コロナウイルス感染症の患者に使用することについて、米食品医薬品局(FDA)の承認を取得している。新型コロナウイルスの感染が世界的に広がるなか、順次使用が始まるトレミキシンの成果に注目が集まる。

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