製紙大手が医療用ガウンやマスクの生産に着手している。王子ホールディングス(HD)は、医療用ガウン月産80万着分、マスク同200万枚の供給を開始する。大王製紙は不織布マスクを量産する。両社は既存設備の転用や新設備導入を進め、新型コロナウイルス流行にともなう医療機関などでの需要増に対応する。

 王子HDは事業会社の王子ネピアを中心に製造する。医療用ガウンは同社パーソナルケア名古屋工場(愛知県)で5月中旬から生産開始の見込み。紙おむつ基材向けに展開してきた既存の不織布設備を医療用ガウン製造に転用。検査や診察向けに、使い捨てを前提とするアイソレーションタイプの基材向けに月80トン供給する。紙おむつ向けの供給には影響しない見込み。

 マスクはグループ会社の新タック化成で生産する。山本工場(香川県三豊市)内の既存クリーンルームに生産設備を導入。6月下旬からの供給開始を目指す。

 大王製紙は、4月末にエリエールプロダクトの栃木工場(栃木県さくら市)に新設備1ラインを導入し、不織布マスクの量産に入る。月産400万枚からスタートし、同1300万枚に生産量を引き上げる。7月には2台目の加工機を増設予定で、同2600万枚規模に増強。医療機関への供給を優先し、徐々に一般向け販売を開始する。

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