金星製紙の「マスク用とりかえシート」は発売早々、引き合いが急拡大している。新型コロナウイルスの流行にともなう全国的なマスク不足に対処するために急遽開発した商品だが、発売前から複数の媒体に取り上げられ、幅広いチャンネルで販売されており納入が間に合わない状況。4月末までの受注分で「すでに150万個に達した」(同社)としており、カットやピロー包装、箱詰めなどの加工・包装工程の能力アップを進めている。一部商社では海外輸出にも回しており、国内外で感染拡大抑制に貢献している。

 マスク用とりかえシートは、市販のマスクの内側に装着するだけで常に清潔なマスクとして使用できるようにするアイデア商品。マスク内側の中心にセットし、抑えて馴染ませるだけで使用できる。新型コロナウイルス問題で店頭からマスクが消えることを早い段階で察知し商品化した。現在、飛沫感染を防ぐことを第一としてフィルター機能の乏しいマスクでも求められているが、同社商品なら既存のマスク性能を生かしつつ、清潔さを維持して何度も使えるメリットがある。素材は2成分系のポリオレフィン原糸を用いたサーマルボンド不織布を使用した。

 量販店、ドラッグストア、ホームセンターのほか、オンラインショップ「楽天市場」でも取り扱いを開始。加工能力の律速から、「一部お断りせざるを得ない状況」(同社)だが、50枚入りセットで累計150万個もの受注を受け、加工能力の引き上げを進めている。

 マスクの展開も視野に入れる。同社の特殊機能性不織布「リモレイ」を用いた“極上の付け心地”を実現するマスクを開発し、中国企業の協力を得て商品化した。3月に一度輸入したが、スケジュールはこれから詰める。

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