高砂熱学工業は24日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、医療用クリーンブース「バリフローⅢ」「バリフード」を増産すると発表した。現状いずれも月産10台のところをバリフローは月産30台、バリフードは月産40台に増産する。今夏までにさらなる増産を進める予定。

 バリフローⅢは、空調設備業で培った技術を基に医療従事者や患者の飛沫を介して感染する新型ウイルスなどのリスクを低減する目的で仙台医療センターの西村秀一博士(2008年当時)と共同で開発、09年7月から販売している。

 空気中に浮遊する粒子をHEPAフィルターで除去するファンユニットと医療従事者の安全と診察の作業性を両立させたビニールカーテン製ブースの構成。陽圧利用のほか、受診者がブース内に入って診察を受ける陰圧利用も可能。容易に組み立て、組み替えが行え、診察状況に応じて陽圧と陰圧の変更は約10分で行える。価格は140万円(税別)。

 バリフードはファインフィルターユニットとビニールカーテンの構成で、透析時にベッドに横臥した透析患者の上半身を覆う陰圧フード。閉塞感や不自由感を感じることなく人工透析を受けられる。外来待合室では隔離フードとして使用できる。価格は55万3000円(税別)。

 同社によると問い合わせが増加しており、新規発注への対応は2カ月程度要する見込み。

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