日本医療研究開発機構(AMED)は、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発支援先としてヒューマンライフコード、塩野義製薬、カネカ、ノーベルファーマ、エーザイの5社を選んだ。また、アカデミア主導型では大学・機関を支援先に決定。京都大学の本庶佑特別教授、東京大学の河岡義裕教授、東京医科歯科大学の武部貴則教授らが名を連ねた。

 カネカは、治療用ウイルス中和抗体をテーマに掲げる。東京理科大学と共同開発した体外免疫療法を利用し、新型コロナウイルスやその変異型に有効な抗体医薬品を生み出す計画。製薬企業と組み、2021年度中の治験開始を目指す。

 エーザイは筑波研究所(茨城県)が中心となり、重症化を防ぐ医薬品を創出する。塩野義は新たな低分子治療薬の開発に取り組む。

 アカデミア主導型のうち、本庶特別教授は重症化阻止につながる免疫制御治療薬、河岡教授はヒトモノクローナル抗体を用いた治療薬開発にそれぞれ実施する。

 武部教授の場合、腸換気法を利用した呼吸器合併症がターゲット。北里大学では大村智特別栄誉教授が見つけた天然化合物「エバーメクチン」を基盤とした治療薬の開発などを進める。

 企業主導型では19件、アカデミア主導型では79件の応募があった。1テーマ当たりの研究助成の規模は企業主導型で原則3000万~2億円、アカデミア主導型で3000万~5000万円。期間は今年度いっぱいを予定する。

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