洗剤開発型会社であるエーベル・バイオクリーン(東京都葛飾区、阿部守利社長)は自社ブランドの環境配慮型洗剤「緑の魔女」のアジア展開を加速する。今年2月に同製品の泡タイプ(バス用)をベトナムで上市した。今後、1、2年内に中国、台湾、韓国、香港、シンガポールの各市場への投入を計画している。同製品は植物系界面活性剤に独自のグロースファクター(生分解促進剤)を配合しており、洗剤として使用後にパイプクリーナーとして働く特徴がある。泡タイプは新型コロナウイルスの消毒にも有効という。アジア市場での販売拡大に向け、総合商社と提携することも視野に入れている。

 「緑の魔女」はドイツのBBT社が開発。エーベル社はアジア市場での独占的な販売権を取得している。

 ドイツ・マールブルク大学のマンフレッド・ハーケ博士が開発した生分解促進剤を配合した洗剤。洗剤として使用後に、生分解促進剤が排水パイプの中の汚れを食べる好気性微生物の栄養源となり、微生物の働きを活発にすることで、排水パイプの汚れを除去する。製剤としての主成分として植物系界面活性剤を使用しており、高い洗浄能力を持つ。洗剤として汚れを洗い落とすだけでなく、洗った後の排水も浄化するという環境性に優れた特徴がある。

 エーベル社は「緑の魔女」について2012年から現地の代理店などを通じ、中国、台湾などアジア市場で販売してきた。

 今回、泡で出るスプレータイプ製品を開発し、今年2月からバス用をベトナムで上市した。トイレ用も併せ、向こう1、2年内に中国、台湾、韓国、香港、シンガポールの各市場への投入を計画している。アジア市場での展開加速に向け、日本の総合商社と提携することも視野に入れている。

 「緑の魔女」泡タイプ(バス用、トイレ用)は5月に製品評価技術基盤機構(NITE)から新型コロナウイルスの消毒に対して有効な界面活性剤を含む洗剤として公表された。エーベル社としては、新型コロナへの効果も訴求することでアジア展開を加速したい考え。

 エーベル社は04年に老舗の総合洗剤メーカー、ミマスクリーンケア(東京都葛飾区、)の関連会社として設立。ミマスクリーンケアは世界初の無リン洗剤を開発したメーカーで、高い技術力を持つ。「緑の魔女」の日本を含むアジア市場向け製品は、ミマスクリーンケアの本社工場(東京都葛飾区)、つくば工場(茨城県龍ケ崎市)で生産している。

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