富士フイルム子会社の富士フイルム富山化学は11日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」による新型コロナウイルス感染症を対象とした国内第3相臨床試験(P3)の患者登録を、3月末に終了すると発表した。今後、治験データの解析を進めていく。これまで治験薬との因果関係が否定できない重篤な有害事象は確認されていないという。

 新型コロナ患者へのアビガンの重症化抑制効果を確認する目的で、昨年4月からP3を行っている。従来株と比べて重症化率が低いオミクロン株が流行し、最近の組み入れ患者のほとんどが同株感染者であると推定されている。こうした状況を踏まえ、現行のまま試験を継続しても、重症化抑制効果の検証が困難になることや、プラセボを用いた試験継続は被験者の利益につながらないことから、新規被験者の組み入れ終了を決めた。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

セミナーイベント情報はこちら

ライフイノベーションの最新記事もっと見る