厚生労働省は16日、6月初旬に計7950人を対象に実施した新型コロナウイルスの抗体保有調査の結果を公表した。感染歴を示す抗体保有率は東京が0・1%、大阪が0・17%、宮城が0・03%だった。人口から試算すると東京は、累積感染者数5236人(5月末時点)を上回るおよそ1万4000人が抗体を保有すると考えられる。

 米国で緊急使用許可を受けている米アボットとスイス・ロシュのそれぞれの抗体検査薬で陽性と確認された検体を「陽性」と判定した。検査数は東京が1971人、大阪が2970人、宮城が3009人で、陽性判定はそれぞれ2人、5人、1人。

 3都府県の抗体保有者は、5月末までの累積感染者数と比較すると多いが、米国などが調査した抗体保有率に比べると低い結果だった。

 陽性判定の検体は今後、国立感染症研究所で研究し、新型コロナウイルスに対する抗体の防御能力などを調べる。第2波も警戒されるなか、抗体検査をどう活用するかなど今後のコロナ対策にも生かす。

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