プレシジョンと自治医科大学は、新型コロナウイルス感染症に特化した症例検索エンジンを開発し、日本医師会の関連ウェブサイトに公開した。症例報告の文脈と臨床所見の関係性をわかりやすく表示し、医療の専門家でなくても情報を活用できるようにした。人類が初めて経験する疾患の克服へ向けて求められている医療の専門家と非専門家の協力促進に寄与する。
新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）の助成を受け取り組んできた。日本感染症学会のウェブサイトに掲載されている症例報告から約７０症例を構造化して整理し、開発中のアルゴリズムを用いて検索エンジンを作成した。症例の文脈をたどり、生じたイベントの時系列と、医学用語の関係を図示することで症例を可視化。症状、身体所見、検査所見、画像所見、合併症などの分析もできる。
新型コロナウイルスの克服へ向けては、症例報告を収集し、わかりやすく整理したうえで患者の傾向を分析することが急務。医学知識を構造化、デジタル化したデータベースは、新型コロナウイルスに取り組む医療関係者の情報共有や診断・治療法の開発に役立てられる。
