米モデルナは、新型コロナウイルスワクチンの小児適応の拡大が遅れる見通しを発表した。若い男性を中心に心筋炎の有害事象が報告され、米国の審査当局が慎重に承認審査を進めているため。12~17歳の適応追加に対する審査結果は年明け以降になり、12歳未満の追加申請も延期する。

 モデルナは6月、同ワクチンの対象年齢に12~17歳を追加する緊急使用許可(EUA)申請を米食品医薬品局(FDA)に提出した。年内にも審査結果が出ると見込んでいたが、FDAから審査に時間がかかるため来年1月以降になるとの通知を先月末に受けた。

 審査延長の原因は、モデルナ製で報告されている心筋炎の有害事象。頻度は低いが若い男性に多く、FDAは各国のデータなども精査したうえでEUAを決める考え。若年男性への接種を中止する国もあり、日本でも10、20代男性には米ファイザー製を優先するよう推奨している。12~17歳適応のFDA審査が完了するまで、モデルナは6~11歳の適応追加申請を保留する。

 一方、FDAは先月29日、ファイザー製ワクチンの5~11歳適応についてEUAを出した。

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