リボミックは、新型コロナウイルス感染症治療薬候補であるアプタマーに関する動物実験を今年度内にも開始する。実際の新型コロナウイルスを使い、マウスもしくはハムスターを対象に実施する。新型コロナウイルスを扱える実験設備を持つ東京大学医科学研究所(東大医科研)と協議し、治療薬候補となっているアプタマーの有効性検証と絞り込みを進める。

 新型コロナウイルスは、ウイルス表面のスパイクたんぱく質が細胞表面上の受容体ACE2たんぱく質と結び付き、感染・増殖する。このため、両者の結合を阻害、または細胞への侵入を阻止すれば良いことになる。そうした機序にリボミックは着目、アプタマーによる治療薬創製の可能性を探っていた。

 表面プラズモン共鳴法など通じて探索した結果、複数の候補アプタマーを同定。さらに今月、新型コロナウイルスと同様の感染機序を持つシェードタイプウイルスでは阻害効果が確認できたことを明らかにした。

 動物実験は、ヒトのACE2たんぱく質を移植したマウス、もしくはモデルに適しているとして実績を重ねているハムスターで行う。東大医科研とは共同研究契約も交わしており、体制も整っている。今後、試験デザインの検討などを急ぎ、年度内の着手を目指す。

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