政府は28日、有識者らで構成する「医薬品開発協議会」を開催、昨年6月に閣議決定した「ワクチン開発・生産体制強化戦略」の当面の推進方針案を示し、概ね了承を得た。「感染症有事にいち早く、安全で有効な、国際的に貢献できるワクチンを国内外に届ける」ことを当面の目標に設定。(1)感染症ワクチンの開発(2)開発に資する新規モダリティの研究開発-の2つを柱とすることを決めた。

 今後、指定する重点感染症をターゲットとすることを基本に、ワクチンの研究開発を支援する。同日の会合では新型コロナウイルスを優先対象にすることで一致したほか、インフルエンザのような呼吸器感染症、重症度が高く治療法が確立していない出血熱などを候補とした。

 新規モダリティについては、内外で実用化されていない新たな技術に加え、既存技術でも有効性や安全性、利便性などを高める技術も支援対象とする。感染症にも応用可能性が見込める技術なども含める。アジュバント(免疫増強剤)や免疫賦活化技術など重要な関連技術にも支援を行う。

 一方、同戦略の司令塔機能を担う「先進的研究開発戦略センター(SCARDA)」の月内発足を目指すなか、組織案も提示。(1)広範な情報収集・分析機能(2)戦略的な意思決定機能(3)機動的なファンディング機能-を役割として、実務を担うSCARDA事業部を日本医療研究開発機構(AMED)に置く。同センター長や、文部科学省、厚生労働省、経済産業省などをメンバーとする「戦略推進会合」も立ち上げ、方向性を定める。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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