新型コロナウイルスへの適切な対応で評価を高めた台湾が、人工呼吸器の開発に乗り出す。医療機器やセンサーメーカーなどで構成する「ナショナルチーム」が、米メドトロニックが公開した人工呼吸器の設計情報をもとに開発を進める。台湾のEMS(電子機器受託生産サービス会社)大手である鴻海精密工業は米工場で人工呼吸器を生産する計画で、ものづくりの強い台湾勢の新規参入が需給ひっ迫の緩和につながるか注目される。

 台湾は新型コロナ患者に必要な重症患者向け人工呼吸器を輸入に頼っている。そこで政府が予算措置をとり、まずは工業技術研究院(ITRI)がプロトタイプ100台を生産し、評価を行うことにした。確立した生産技術は企業に移転し、量産を目指す。

 この施策が発表される直前には、鴻海が米ウィスコンシン州の工場でメドトロニックと協業し、人工呼吸器の生産を始める計画が明らかになっている。同社は同州への液晶パネル工場建設で優遇措置を受けていた。新型コロナ患者が急増している米国では人工呼吸器不足が深刻化しているため、自動車会社なども人工呼吸器の生産に着手している。

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