塩野義製薬は14日、新型コロナウイルス感染症に対する創薬・検査などの取り組みを強化すると発表した。同社ライブラリーから見つけた有効性を示す化合物群を用いた臨床試験を年度内に開始することを決定。併せて、先月、協議入りしていた抗体検査キットに関する導入契約も交わした。感染症を重点領域に掲げるなか、外部連携を積極化し、実用化を急ぐ。

 治療薬の開発に向け、北海道大学との共同研究を通じて見いだした低分子系化合物によるヒトへの第1相臨床試験を2020年度内に着手する。ライブラリースクリーニングで既に3品目を突き止めた。このうち、1品目は新型コロナウイルス株に高い有効性をインビトロ試験で確認済みだ。

 マイクロブラッドサイエンス(東京都千代田区)との間で検討を重ねていた抗体検査キットの導入も決め、3月25日付で契約した。日本での早期実用化を目指し、国内医療機関と性能試験を開始。薬事承認に必要なデータ収集へと乗り出した。臨床研究も近くスタートし、体外診断用医薬品としての展開を図る。

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