塩野義製薬は31日、日本大学などと実用化を進めている新型コロナウイルスの検査法について、9月の提供開始を目指す方針を明らかにした。8月に新たな検査法として承認申請を実施。使い勝手の良さを高めたキット開発にも取り組む。ワクチンについては、来年1月に生産体制が整う見通しだ。第1期として年度内には1000万人分が供給できるようにする。

 8月に申請を予定しているのは革新的核酸増幅法(SATIC法)という新たな方法。PCR法と同等の検出感度が期待できるといい、約25分と短時間で判定可能なのが特徴だ。新検査法として申請準備中で、多くのサンプルを迅速に診断できるキット化も並行して進めている。キットも製品化のめどが付き次第、申請する。

 同社が主導するかたちで国立感染症研究所(感染研)、九州大学と共同で開発している新型コロナウイルスワクチンでは、早ければ11月、遅くとも12月には治験入りする。2月には治験結果の速報が出る見込み。生産体制の構築も段階的に進め、2021年末には3000万人分以上を確保できるようにする。

 治療薬に関しては、北海道大学などと連携し、見いだした化合物のなかから開発候補品の選ぶための評価を継続中。年度内の臨床試験開始という目標は維持する。

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