島津製作所はこのほど、京都産業大学と包括的連携協定を締結した。学内PCR検査施設の設置などで協力する。まずは、無症状の学生や教職員が対象。衛生検査所としての登録も目指し、京都府、京都市の検査状況がひっ迫した場合の協力も想定する。検査は、島津の新型コロナウイルス検出試薬キットを使用し、唾液を検体として用いる。京産大むすびわざ館(京都市下京区)で行われた会見で上田輝久社長は「これをモデルとして、国内およびアジアを中心とした海外の大学とPCR検査施設設置で協力していきたい」と話した。

 神山キャンパス(同市北区)にある診療所の付属機関として、併設する既存施設を改修、10月中旬から検査を開始する。床面積は約70平方メートルで、設備費用約1500万円は京産大が負担する。京産大によると、医学部や薬学部を持たない総合大学としては国内初の学内検査施設となる。

 まずは1日40件、その後150件程度まで検査数を増やしたい考え。寮生や、フィールドワークを実施したり高齢者と同居する学生約1900人を優先的に検査する。検査対象者の負担は1000円以内に抑える方針。

 締結式と会見には、上田社長に加え、大城光正学長や西脇隆俊知事、門川大作市長も出席。協定には京産大感染症分子研究センターなどとの研究協力も含まれており、大城学長は「プール方式の実現に向けた研究なども検討していきたい」と話した。

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