島津製作所は21日、「LC/MS/MS メソッドパッケージ 修飾ヌクレオシド」を発売したと発表した。島津のトリプル四重極型液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)と、アイスティサイエンスの自動検体前処理装置「SPL-W100-v2」を、「修飾ヌクレオシド分析システム」とすることで、新型コロナウイルス感染症の重症化への関連性を示唆するバイオマーカーである、2つの修飾ヌクレオシドを6分以内に測定できる。

 熊本大学の富澤一仁教授らは、新型コロナ感染者の尿や血液から重症化への関連性を示唆するバイオマーカー候補が得られることを確認。島津はこの成果を基に、2つの修飾ヌクレオシドを短時間で同定する手法の開発を進めてきた。今回、分析条件や前処理手順など特定用途の分析に最適化した情報を盛り込んだ専用メソッドパッケージとして製品化。前処理から解析まで全自動で行えるようにした。

 メソッドパッケージのみの税別価格は50万円。修飾ヌクレオシド分析システムは総額で4000万~6000万円となる。国内外で初年度20パッケージの販売を目指す。研究用で、体外診断用医薬品としての承認、認証などは受けていない。

 島津では「熊本大と今後も修飾ヌクレオシド関連研究に注力し、ミトコンドリア病などの多様な疾患のバイオマーカーを探索。メソッドの標準化や全自動分析システムの開発を進める」としている。

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