藤田医科大学(愛知県豊明市、才藤栄一学長)と川崎重工業は4日、大学の敷地内では国内初となる川崎重工製ロボットの自動PCR検査システムを導入した「川崎重工 藤田医科大学内PCR検査センター」を近く本格稼働させると発表した。今月から実証実験を進めており、衛生検査所の登録を経て1日最大2500件のPCR検査が実施可能な施設として運用を始める。無人化や自動化で既存の医療や検査機関における医療従事者の負担や感染リスクを軽減できる。センターはコンテナとして移動も可能なため他地域での活用も可能という。

 藤田医科大学では、愛知県下におけるPCR検査体制拡充の動きを受け、すでに2020年12月から大学内の1号館へ「藤田医科大学産学連携推進センター受託解析研究ユニット」を設置。県内の三河地区保健所からの検体を1日に最大1500件検査可能な体制を整え、すでに稼働させている。今回の新たな施設で1日最大4000件のPCR検査施設が整うことになり、1日当たりの検査数体制で日本国内でも最大規模になるという。

 なお、同大は川崎重工とも国産初の手術支援ロボットのトレーニングや遠隔手術などの研究や実証などで以前から連携関係にあった。今後の共同研究で医療との連携を含むシステムの有効性実証を図り、医療従事者の検査にかかわる負担軽減とともにPCR検査体制の充実化につなげる。

 当日、大学内で説明した川崎重工業の社長直轄プロジェクト本部の納土英明PCR事業部長は「主要工程を完全自動化した検査システムは藤田医科大学に設置したものが世界でも初。今後、当社はPCR検査事業として全国展開する」と新規のビジネスとして育成する方針を示した。

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