AGCは14日、新型コロナウイルス向けワクチンの製造を受託すると発表した。デンマークのベンチャー、アダプトバック社が2020年後半に臨床試験開始を目指しているワクチンで、AGCは独ハイデルベルグの工場で生産する計画。同社によると、現在の製造設備で対応しつつ、ワクチンの需要次第で拡張計画を前倒しで進める可能性もあるという。

 アダプトバックのワクチンはウイルスと同様の構造を持つ粒子(VLP)を用いて免疫獲得を狙っている。体内でウイルスが増殖しないため安全性にも優れる。新型コロナ感染拡大に向けたEUのコンソーシアムに加盟し、開発に取り組んでいる。

 この新型コロナ向けVLPワクチンは、量産に向けた最終検討を行っている段階。AGCは治験から商用まで対応できる製造能力を保有しており、品質管理やサービス力が評価され、受託にいたった。

 AGCは新型コロナ向け治療薬「レロンリマブ」の製造も米国シアトルの工場で受託している。開発元の米サイトダイン社による新型コロナの重症患者向けの第2相/3相臨床試験はこのほど米国食品医薬品局(FDA)が実施を承認した。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る