日新興業は、新型コロナウイルス対策を目的とする電解水生成装置の取り扱いを開始した。100ppmの次亜塩素酸水を生成可能な国内メーカーの新製品で、同濃度ではウイルス除去にも寄与する効果を有するため、コロナ禍の下、衛生レベル向上用途で販売する。次亜塩素酸水はアルコールや次亜塩素酸ソーダに比べ高い除菌性能を有し安全性にも優れるため、公共施設での採用を見込む。年間販売1000台を目標に樹脂部を主軸に全社的な提案を行い、既存顧客の現場に向け採用を働きかける。

 日新興業はソーダ・無機工業薬品、有機工業薬品や合成樹脂、食品関連を手がける化学品専門商社。既存のカ性ソーダを主力とする無機工業薬品事業の維持拡大を図りつつ、化学品・食品・樹脂・海外の4事業部体制でビジネスを強化している。

 なかでも樹脂部では、高付加価値商材の取り扱いも増やし、収益力を強化中。全社横断的な連携も通じ、新規商材の探索と育成も積極化している。

 同社はその一環として、電解水生成装置「アクアプリータ」の取り扱いを開始した。パートナー企業である金澤工業が手がける製品で、水・塩・電気のみで次亜塩素酸水を生成できる。なかでも100ppmの次亜塩素酸水を生成可能なグレードに注力する。

 アクアプリータは本来、飲食や水産加工・食肉加工などの衛生管理分野に向け開発された装置。食品の鮮度を落とさず塩素臭もない強みを生かし、ノロウイルスや食中毒の対策として実績を持つ。コロナ禍に対しては生成水を100ppmと高濃度にすることで、厚生労働省・経済産業省・消費者庁がウイルスに対して有効な消毒・除菌方法と紹介する「拭き掃除80ppm」をクリアする装置としている。

 日新興業では、国産機器では数少ない100ppm対応装置として着目し取り扱いを開始した。次亜塩素水はアルコールや次亜塩素酸ソーダと比べ高い除菌性能を持ち安全性にも優れるため、コロナ禍の下、住環境などの衛生レベル向上用途に焦点を当て100ppm対応品に注力する。

 なかでも病院や教育施設、教育現場など公共施設への拡販を見込む。同社の強みとするBtoBビジネスでも、工場など現場向け販売を進める。すでに一部の歯科施設などに向け機材の洗浄用途で実績も出ている。

 また、海外ではアルコールに関する規制が厳しい国も多いことに着目。海外部と連携し海外展開も視野に入れる。すでにマレーシア現地法人を通じて装置のデモ・ワークも検討しており、周辺機器となる軟水器・タンクや配管の手配も含め、販路を拡大する。

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