東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らの研究グループは、ハムスターを用いて新型コロナウイルス感染症の動物モデルを開発した。肺炎などの呼吸器症状はヒトと似ており、感染歴のあるハムスターは再感染しないという。ワクチンや治療薬の開発に利用できるほか、病態解明の研究にも役立てられる。

 研究では、患者から分離した新型コロナウイルスをハムスターの鼻から導入した。ウイルスはハムスターの呼吸器で増殖し、肺にヒトと同様の病変を画像診断で観察できた。

 感染から回復したハムスターにウイルスを再感染させても、ウイルスは全く検出されなかった。また、回復期に採取した血清を、感染後1~2日目のハムスターに投与したところ、ウイルスの増殖を顕著に抑制できた。

 米ウイスコンシン大、国立感染症研究所、国立国際医療研究センターとの共同研究成果で、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を得て進められた。

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