神奈川県は、慶応義塾大学などとともに、県内在住者を対象とした新型コロナウイルスの抗体保有状況の調査を開始する。コミュニケーションアプリ「LINE」を活用。発熱などの症状があったものの、PCR検査を受けなかった県民ら約2000人を対象に、今月から3月まで実施する。併せて、抗体保有者の生活習慣や腸内環境を解析する共同研究も行う。

 慶大、神奈川県立保健福祉大学、神奈川県立産業技術総合研究所、メタジェン(山形県鶴岡市)とともに進める。(1)県内の感染状況(2)PCR未受診者の抗体保有状況(3)新型コロナウイルスと生活習慣や腸内細菌の関連-の3つを把握することで、今後の感染対策に生かすのが狙いだ。

 まず慶大とはLINEの新型コロナ対策パーソナルサポートを使って、調査に取り組む。発熱などがあったがPCRを受けなかった県民、無作為抽出した県民それぞれ1000人程度を対象に、感染状況を明らかにしていく。県内の一部自治体では抗体検査を実施しているが、県として行うのが今回が初となる。

 一方、県立保健福祉大などとは、抗体保有者に対するアンケートを通じ、生活習慣と腸内細菌の2つの観点から無症状の理由や重症化抑制へとつながるメカニズム解明を目指す。メタジェンが持つ腸内環境評価手法「メタボロゲノミクス」により、腸内環境変化が免疫機能に与える影響を解析。同時に、重症化予防に重要な役割を果たす「免疫グロブリンA(IgA)」も測定し、分析を加える。

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