新型コロナウイルス感染症の抗原検査薬の開発が活発だ。英ルミラ・ダイアグノスティクスの日本法人(東京都新宿区)は専用の小型装置を用いて12分以内に判定できる検査薬について厚生労働省から製造販売承認を取得。アルフレッサファーマ(大阪市)は装置を使わなくても検査できる簡易キットを承認申請した。抗原検査は医療機関での検査のほか、多数の人を対象に行う定期検査などにも需要が見込まれている。 

 ルミラ社は承認を取得した抗原検査薬を日本で2月1日に発売する予定。同社が日本で製品を販売するのは今回のコロナ向けが初めて。検査装置と試薬は日本の需要を賄う供給量を確保しており、日本進出の足がかりにしたい考え。

 同社の抗原検査薬はマイクロ流体免疫蛍光法を採用している。新型ウイルスの抗原を蛍光シグナルを測定して検出し、陰性か陽性を判定する。検体は鼻咽頭拭い液または鼻腔拭い液を使い、鼻咽頭拭い液の場合のPCR検査との陽性一致率は97・5%、陰性一致率は97・7%。

 専用の検査装置は横約10×縦21×高さ約7センチメートルと小型で、1検体を12分で検査できる。操作が簡便で持ち運びもしやすい。医療機関やクリニックのほか、行政機関などの公的施設、老健施設、企業診療所での需要を見込む。

 アルフレッサファーマは検査装置を介さずに短時間で簡便に新型ウイルスを検出する抗原検査キットを厚生労働省に申請した。インフルエンザウイルスやRSウイルスなどの検査薬を手がけてきた実績を生かしてコロナ向けを開発した。

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