米国食品医薬品局(FDA)は15日、米モデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンについての評価結果を公表し、緊急使用許可(EUA)に必要なエビデンスがあるとの見解を示した。同社のワクチンはきょう17日(現地時間)、外部専門家らによる諮問委員会で審議される。専門家からも肯定的な評価が得られれば、翌18日にもEUAが認められる見通し。今週から接種が始まった米ファイザーのワクチンに続き、米国で実用化される2つ目のコロナワクチンになる。

 諮問委の開催に先立ち、FDAがモデルナのコロナワクチンに対する評価資料を公表した。FDAは報告書で「新型コロナ感染症に対する予防効果があり、18歳以上の成人に対する安全性の問題はない」とし、EUAで求める安全性、有効性のデータはあるとの見解を示した。

 第3相臨床試験データを解析した結果、コロナ発症の予防効果を示す有効率は、65歳未満は95・6%、65歳以上は86・4%だった。副反応では、注射部位の痛みや倦怠感、発熱などが多く報告されたが、「EUAを否定するような安全性の懸念はない」とした。

 諮問委では外部専門家らが議論し、EUAの可否について多数決を行う。過半数が支持すれば、翌18日にもEUAが出る見込み。ファイザーのコロナワクチンは10日の諮問委でEUAが支持され、翌11日にFDAが正式承認。14日から各地で接種が始まっている。

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