科学技術振興機構(JST)は、新型コロナウイルス感染症をテーマとした新規支援事業を行う。企業主導で大学のシーズなどを実用化するための支援枠組みを活用。検査や消毒といった社会活動を制約なく送るために欠かせない研究成果や技術を対象に、最大10億円を助成する。製品化に長けた企業の取り組みを後押しすることで、各種対策の高度化につなげる。

 JSTが実施する支援事業「A-STEP企業主体(返済型)」の中に「ウィズ/ポストコロナ対応枠」を設けた。開発成功時には返還義務が生じるが、不成功の場合には9割の返済を免除するという制度。ユニークなアカデミア発のシーズなどに対して企業がリスクをとって開発できる仕組みにした。

 今回のウィズ/ポストコロナ対応枠では、検査などの「見つける」、消毒を始めとした「清める」、マスクや遠隔診療といった「護る」という3つの切り口に対応したテーマを支援する。治療薬やワクチンの開発は対象外。新型コロナウイルスの存在を前提としつつも、制限なく活動でき、経済を回せる社会を実現するための成果、技術に絞った。

 募集期間は来年3月末まで。最長で6年、支援する。近くオンライン説明会を開くほか、詳細についてもJSTのホームページに掲載する予定だ。

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