サイエンス&テクノロジー社は、書籍「官能検査(官能評価)入門」を2020年11月27日に発刊する。
 この書籍には、著者である故・西松 豊典 氏(信州大学 名誉教授)が長年の研究を通じて得た、官能検査の勘所が詰まっている。

 官能検査(または官能評価、官能試験)とは、ヒトの五感などの感覚をもとに、製品の品質を判定する検査法である。例えば、ビール工場においては、評価者(パネリスト)と呼ばれる専門員が毎日検査を行い、ビールの味、香りやのど越し等の品質を管理している。
 このように、製品の良・不良判定をする際に、よく官能検査が行われてきた。近年では、人が対象物から得る総合的な印象や感覚的な快・不快の程度等を調べることで、工業製品の情緒的価値の向上をはかる試みも多くなされている。

 官能検査は、人の感覚を計器と見立てて行う。そのため、検査室の温湿度、試料の並べ方、評価者の体調や嗜好等が、官能検査の結果を左右する。人の感覚に影響するバイアス(誤差因子)を十分に考慮しなければ、社内での評価結果と市場調査の結果が乖離する。つまり、上市しても売れなかった/クレームが多発した、という結果を招いてしまう。
 そういった事態を避けるために、Trial and Errorを繰り返すのも一つの手段だが、より簡便な方法として本書を読むことを薦めたい。著者が多くの共同研究を通じて得た知見から、何に注意すべきか、どんな工夫をすると良かったかを簡潔にまとめてある。
 本書を通じて著者が残した道しるべを辿り、官能検査の先にある、新製品の企画開発・品質改善等に一層注力してもらえることができれば、幸いである。

■目次抜粋

第1章 官能検査を行う五感について
第2章 官能検査(官能評価)とは
第3章 JIS規格にもとづく官能検査の実施方法
第4章 経験がものをいう実施ノウハウ・注意点
第5章 官能検査実施例
第6章 近年の官能検査活用における方向性 ~機器測定で得た物理特性と「心地」との関係~
第7章 官能検査でよく用いる用語
付録章 官能検査実施例と使用した検査用紙
あとがき
※編集中につき、目次は一部変更となる場合がございます。

■書籍情報

【PR】サイエンス&テクノロジー社 書籍

「官能検査(官能評価)入門」
体裁:B5判並製本 (製本版)/PDF(ebook版)約70頁
   ebook版は専用アプリケーション上での閲覧、コピー・印刷不可
ISBN:978-4-86428-202-4
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