アステラス製薬は、中期経営計画の最終年度を迎えている。この3年間は、他社品や特許切れ製品が主力だった売上構成から、年間売上高5000億円を期待する前立腺がん治療薬「イクスタンジ」など次世代の新薬へ「生まれ変わり」を図ってきた。さらに次代を担う新薬開発として、「バイオロジー×モダリティー×疾患」の組み合わせで創薬する「フォーカスエリア・アプローチ」戦略に乗り出した。特定の疾患領域に集中する従来の戦略から脱却し、多様な技術や知見を活用して幅広く事業機会を追求する。そのための企業買収にも意欲的だ。安川健司社長CEOは「やりたいこと、やらないといけないことは、すべてできた」と自信を示している。

▼…「フォーカスエリア・アプローチ」とは。
 「自社の能力や経験を生かせるバイオロジーやモダリティー・技術と、2030年までアンメットニーズがあると考えられる疾患30個を組み合わせ、最適なものを選び出して実用化するという研究開発のアプローチだ。技術的なプラットフォームが整えば、治療応用する疾患が存在する限り、アセットが続々と出てくる」
 「このアプローチを充実させることが、中計で最も重要な戦略。各フォーカスエリアでフラッグシップになるような開発品は特定できたし、臨床試験段階に進んだ。これが『イクスタンジ』の特許切れに対する答えだ。どれだけ努力しても特許は切れる。早く次々に製品を作ることに集中することが製薬業界での生き残り策だ」
▼…次の中計中には収益に貢献しはじめますか。続きは本紙で

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