フラットパネルディスプレイ(FPD)産業の中国シフトが一段と進むことになった。中国・深センのFPDパネル大手である華星光電(CSOT)は、有機EL専業のJOLED(東京都、石橋義社長)との資本業務提携によって最先端の印刷法を用いる大型有機EL(OLED)パネルを3年後に量産する計画を明らかにした。テレビに使用する大型有機ELパネルの生産性が優れる印刷法は材料技術が要。住友化学や三菱ケミカルが先行するが、将来性が高いだけに韓国LG化学や独メルクが関連する事業の買収や特許を取得するなど、競争が激化している。韓国大手が儲からなくなった液晶パネル事業から撤退し、中国が追随できない次世代FPDへと軸足を移していることも、FPD業界の大きな流れだ。ただ、CSOTのように次世代技術の導入が進めば、中国一強体制の実現がさらに近づく。JOLEDは世界で唯一、高分子系発光材料に特化した住友化学と協業して印刷法技術を磨いてきたが、大型パネルへの投資はリスクもあり、国内に量産を担うパートナーは見つからなかった。有機ELの次に来るFPDとして台湾と韓国は国を挙げてマイクロLEDの開発に邁進しているが、ここでもカギを握るのは材料とプロセス技術だ。続きはこちら

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