アイロムグループは、子会社IDファーマが開発中の新型コロナウイルスワクチン「IRO-203」を、3回目接種(ブースター接種)用ワクチンとして臨床開発を進める。経鼻投与型のワクチンで、ニプロの投与デバイスを使用。初回免疫は接種が進んでいるため、今春から本格化するブースター接種向けとしていく。今春から合計4000人規模の臨床試験を始め来年度中の承認申請を目指す。小児向けにも開発。外資系企業と提携した大量生産も準備する。

 薬事当局と協議の結果、ブースター接種用のワクチンとして開発することとした。春に第1相臨床試験(P1)を開始し、約100人を登録して安全性や免疫反応を評価する。夏ごろにはP2/3へ進め、投与量、既承認ワクチンと比較した有効性、3000人規模の安全性などを検証する。安全性を確認後、小児向け試験も始める。全体で3700人超の試験プログラムになる見通しだ。

 同社が開発するのは経鼻投与型のワクチンで、ニプロが開発した専用デバイスを使って鼻から噴霧。ワクチン本体はセンダイウイルスを「遺伝子の運び屋」にしたウイルスベクターワクチン。拡張した自社工場が年内に稼働するとともに、外資系企業と製造協力に向けて合意したという。凍結乾燥剤も開発予定。

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