アイロムグループは30日、子会社のIDファーマ(茨城県つくば市)が開発している新型コロナウイルスワクチンについて、新たな製造設備を建設すると発表した。ウイルスの遺伝子情報を細胞に届けるウイルスベクターを大量培養するための設備などを増設する。年内の完成を目指す。同社のワクチンは5月までに最初の臨床試験を開始する。実用化を見据えて量産体制を強化する。

 IDファーマが開発しているのは、センダイウイルスを「遺伝子の運び屋」にしたウイルスベクターワクチン。ベクターの大量培養などを行うためのGMP準拠の製造施設を、同社つくば研究開発センター内に建設する。地上2階建て、延べ床面積約1200平方メートルの建屋。敷地内には既存のGMP製造施設もあり、今後の需要増加に備えて設備を増強する。ワクチン原液から充填・包装までを量産できる体制が強化されるという。5月に着工し、12月に完成予定。

 建設費用は約30億円で、みずほ銀行などのシンジケートローンで調達する。同社のコロナワクチンは、5月までに第1相臨床試験を開始する予定。筋肉注射するワクチンとともに、経鼻投与の製剤も検討している。

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