アンジェスは26日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて追加の臨床試験を実施すると発表した。当初計画していた投与量では十分な有効性が期待できない可能性があるため、用量を増やした試験を行う。ダイセルが開発した「注射針フリー」の皮内投与デバイスによる有効性なども評価する。追加試験によりワクチン開発がさらに遅れる見通し。

 先行する米ファイザー/独ビオンテック、米モデルナのワクチンは高い予防効果が報告されている。「これにできるだけ照準を合わせた予防効果が高いワクチンを開発する必要がある」(アンジェスの山田英社長)として、ワクチンの有効成分となる用量を増やした臨床試験を追加実施する。

 昨年12月から第2/3相臨床試験(P2/3)を実施したが、高用量製剤のP2/3を新たに行う。最初のP2/3より接種1回の投与量や接種回数を増やす。接種方法は、先行ワクチンと同じ筋肉注射と注射針を使わない皮内接種。皮内投与のデバイスはダイセルが開発した。国内6カ所で約400人を登録し、プラセボ群は設定しない。

 追加のP2/3で接種用量や方法を決め、P3へ進む予定。P3は数千人規模を想定し、他社ワクチンと比較した発症予防効果などを検証するとみられる。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る