北里大学とMeiji Seika ファルマはこのほどオンライン会見を開き、両者が共同で取り組む抗寄生虫薬「イベルメクチン」誘導体を利用した新型コロナウイルス感染症治療薬開発プロジェクトの概要を説明した。「イベルメクチンよりも10倍以上の抗ウイルス活性を目指す」(砂塚敏明・北里大学大村智記念研究所長)といい、幅広く使える経口剤としての開発を狙う。

 同プロジェクトでは、感染症薬で豊富な経験を持つMeijiが研究員を派遣するなどし、ノウハウを提供・共有。同大で合成してきたイベルメクチン誘導体の知見を生かしつつ、新型コロナウイルス感染症を対象とした新薬として開発する。共同研究期間は8年だが、「できる限り、前倒ししていきたい」(黒沢亨Meiji執行役員)考えだ。

 まずイベルメクチンと同じく経口剤として開発するが、同薬の良さを生かすため、他の投与方法についても検討する。北里大の新型コロナウイルスを扱える設備を活用することで、安全かつ円滑な創薬活動に結び付ける。

 イベルメクチンを発見、開発に貢献した同大の大村智特別栄誉教授は会見の席上、「イベルメクチンに磨きをかけ、さらに良いものをつくってほしい」と期待を寄せた。

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