稲畑産業のグループ会社であるオルディ(大阪市中央区、寳田昌也社長)は、新型コロナウイルス対策商品として需要が増加している医療用ポリエチレン(PE)製品の生産を強化する。ポリエチレン製手袋は現在の月産700万枚を8月めどに設備新設によって同840万枚が生産可能な体制とする。また、医療現場で防護服の代用品として使用されているポリエチレン製簡易ガウンについては、5月に腕部と胴体部が分離しているタイプを約10万着生産、納入したことに次いで、7月から新たに一体型の供給を開始する方針だ。

 オルディはごみ袋やポリ袋、ショッピングバッグといった日用品、日用雑貨から、レジ袋や産業用資材、包装資材などの業務用資材まで幅広く生産している。

 ポリエチレン製手袋はかつては国産品が中心だったが、現在は新興国の生産レベルが向上したことで輸入品が大きな比率を占めるようになっている。このような状況に対しオルディは国内メーカーとして医療や電子、食品など、より高品質が求められる分野で使用される製品の供給に努めている。

 同社は新型コロナウイルスの感染増による需要拡大を受け、製造子会社のケイエスケイ・システムや協力工場で標準タイプとロングタイプの医療用ポリエチレン製手袋を生産している。現在、月産700万枚のフル生産体制にあるが、いぜん不足傾向にあるため8月頃に同840万枚まで引き上げる考え。

 一方、ポリエチレン製の簡易ガウンに関しては、医療現場での需要増を受けて腕部と胴部の2つのパーツを使った容易に装着できる分離型を5月に10万枚生産し厚生労働省に納入した。現在は一体型を開発中で、7月から同5万枚の生産を開始する予定。簡易ガウンは医療機関への提供に加え、国および都道府県の備蓄用としての納入が見込まれている。

 ポリエチレン製手袋や簡易ガウンは今後も医療機関での利用が見込まれるが、コロナ後の状況としてこれまで使用されていなかった分野でも広く活用されることが見込まれるため、引き続き生産体制を整え需要増に対応していく。

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