カズサ(千葉県長生郡白子町、宮島昭夫社長)は、希釈なしで感染症や食中毒対策に幅広く使用できる食品添加物規格の殺菌剤「バイゲンラックス・クイックシリーズ」の供給体制を強化する。新型コロナウイルス対応で末端からの引き合いが強まっているもので、先月クイックシリーズの供給実績が過去最高となる月産2000本を超えた。シリーズに新商品を加えることにより月産3000本体制を早急に構築する。

 カズサは1986年の創業以来、次亜塩素酸ナトリウムの製造を中核に殺菌や消毒の機能を持つ商品をラインアップしている。柱となるブランド商品がバイゲンラックスで、医薬および食品添加物規格を受けたものやプール用、一般用など用途に応じて品揃えは多彩だ。

 クイックシリーズはクイック1000が次亜塩素酸ナトリウムを0・1%(1000ppm)溶液に整えた品で、排泄物や嘔吐物の消毒処理に多用される。クイック200は同0・02%(200ppm)溶液の品で生野菜や調理器具の殺菌をはじめ、溶液につけ込んだ布巾で手すりやドアノブ、便座などの清掃消毒に使われている。

 同社は首都圏の保育園への消毒薬の供給では長年の実績を持つ。年明け以降、保育園でクイックシリーズの引き合いが急増した。原液のまま使用できることから、希釈する現場の一手間が省けるため需要を高めている。

 一方、防災用の備蓄商品としての引き合いも強い。哺乳瓶などの消毒が希釈水なしでできることなどに加え、クイックシリーズは未開封であれば常温で3年間の保存が可能なことも注目されている。

 また同社では、今年3月6日に厚生労働省が各都道府県や指定都市などに出した「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について」の事務連絡を注視。ここに新型コロナウイルス感染が疑われる者の居室および当該利用者が利用した共同スペースの消毒・清掃を実施する場合において、次亜塩素酸ナトリウム液の使用方法が明記された。そこには次亜塩素酸ナトリウム濃度0・05%溶液の使用指導(高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版)が記載されていることから、0・05%に希釈した商品需要が高まると見込み、新たにクイック500をシリーズ化する検討に入った。

 価格はクイック1000および200共に1リットル容器12本入りケースが7200円(税抜き)、18リットル容器が一本3800円(同)。

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